hana akari
-花明かり-
ご依頼内容はご姉弟からお母様へのギフトです。
40年間保育士としてお勤めになられたお母様が、この度退職される事となりました。
これまでお疲れ様でした、と今までのありがとうを込めたリースを、退職祝いのプレゼントとしてご依頼いただきました。お母様のお話を代表して長女のMさんから伺っています。
-お母様はどんな方ですか?
綺麗な人で、昔から周りにも綺麗だなと言われていましたね。
性格は基本的に明るくてサバサバしている感じです。
でも母親は自ら、小さな頃から小柄だが気は大きいと言っていました(笑)
あとは、努力家かな。母親が短大を卒業して市役所を受けたんですが、
残念ながら落ちたんです。それでも明石市が良いということで、次の年もう一度チャレンジして
見事合格しました。昔から揺るがない人だなという印象です。
それからもう一つ、子供の前でお父さんの悪口を一切言わなかったです。
だからお父さんの事は皆好きでした。
それはお母さんのおかげも大きいかなと思いますね。
私も母親になった今、父親の悪口は言わないということはしっかり受け継いでいます(笑)
-お母様の素敵な面を受け継がれているんですね。Mさんとお母様の関わりの中で揺るがないものを感じたエピソードはありますか?
そうですね‥。結婚を決めたとき、反対しなかった事ですかね。
私たち授かり婚で妊娠したことが先に分かりました。
普段はあまり体調を崩す事は少ないのですが、私の体調の変化に母がすぐに気づいたんです。
普通だったら、まだ結婚には若い年齢だし、心配だったと思うのですが、
良いことやんかと言ってくれました。
どんな時でも、子供のことを信じてくれて背中を押してくれたなと思いますね。
本当にすごいなと思うし、今でも果たして自分はそれが出来るのかと振り返ります。
結婚してしばらく経ちますが、今でも私の事を信じてくれているんだなと感じることがありました。
娘の蕁麻疹が止まらず、大変だった時期がありました。
私のお父さんは、ステロイドをやめることにした時、可愛がってくれていた分、心配して反対しました。
それでもお母さんは反対するお父さんを説得してくれました。
私たち夫婦2人が決めた事を信じよう、見守ろうと言ってくれたんです。
孫のことも好きやけど、あんたの事も好きやでと言ってくれたのも嬉しかったですね。
-本当に信念のある方なんですね。弱音を漏らすことはなかったですか?
直接弱音を見せた場面は思い浮かばないけど‥。
保育士を40年やってきた中で色々あったと思います。
精神的にも大変な仕事です。人間関係、保護者との間でも。
一度もやめるとは言わなかったけど、辞めたいと思っていたかもしれないな‥。
それから、姉弟3人の結婚式の時はぐっときてたと思います。
花束を渡すときは何も言わないけど、3人ともぎゅっと抱きしめていましたね。
-その時は何か言葉にしたわけではないとのことでしたが
お母さんの印象に残った言葉はありますか?
結婚式の時ではないですが「母は一生超えられないで」と言っていた事ですかね。
母ってそうゆうもんやでって。それはお母さんのお母さんもそうだし、私の娘もそう。
それはお母さんらしい一言で印象に残っていますね。
あと、私が2人目を産む前だったかな。
2人産んだら分け隔てなく愛せるんかな?と言ったら
「大丈夫やで、愛情って増えるんやで」って話してくれたんです。
それを聞いて不安な気持ちが楽になったのを覚えています。
そうかあ、増えるんやなぁって安心できましたね。
-改めて今回の贈花の意味合いはどういったものでしょう?
40年間の区切りとしてお疲れ様とありがとうの意味です。
その中でも一番はありがとうですね。
お母さんがいたからこそ家族がやってこれた部分もある。
弱音も見せず頑張ってきてくれたお母さんに、ここまで一区切りとしての
ありがとうを、花を通して伝えたいですね。
florist message
「花明かり」
-どんな時でも明るく、揺るがない芯を持ったお母様という印象を受けました。
弱音や不満、不安や迷いを見せずに突き進んできたお母様へのお疲れ様と感謝とこれからの健康を願ったリースとしてお作りしました。
「花明かり」とは満開の桜が辺りを照らす様を指す言葉です。昼間にたくさん太陽を浴びた桜は夜月で自ら発光しているように見えます。自らが明るく振る舞い、周囲を明るく照らす「花明かり」のリースを、桜の花びらのような繊細なかすみ草を入れる事で表現しました。